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視点を増やす、つまり、モノサシを増やす。『世界の国 1位と最下位』読了

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『世界の国 1位と最下位――国際情勢の基礎を知ろう』を読んだ。岩波ジュニア新書・・・、子供向けの新書ということなのだろうか?

岩波書店の書籍 岩波ジュニア新書

1979年原文とあるから、私と同じぐらいの年を数えているようだ。

とにかく、いろいろな視点から1位と最下位を知り、それだけにとどまらず

  • どうして、1位、最下位になっているのか
  • この比較のための数値は誰がどのように用意したのか
  • この比較結果を見て、我々の課題は何か

というのを提示してくれている。2010年に出版された本なので、現在流行りの経済の話や、現在の国際情勢(主にEU、米国大統領選などなど)はもちろん「さすがに読めなかったかなぁ・・・」という感じだが、やはり大事なのは「モノサシ」を用意して考察しているということである。

何かを評価するとき、どうしても評価軸を定めねばならない。そして順位を決めることができる。

つまり、順位を決めるには「モノサシ」で測定できるようにならねばならない。先日の「この図をかける時点で気づいている」のと同義で、「評価軸を定めモノサシを用意できる」とは、視点を増やせていると言えるだろう。

しかし、よくあるのはこのときに「インチキなモノサシ」を用意してしまうことが本当に多い。正しいモノサシを用意できるようになるのは訓練がいる。相手の用意したモノサシをインチキではないか?と考察するのにも訓練がいる。

そして、この本はそのモノサシには賞味期限があるのではないか?ということもまた教えてくれる。

これまでの世界に用意された「モノサシ」でみた世の中が、現在はどうなったのか、そして未来はどうなっていくのか、そこで示される「モノサシ」の示す長さ = 「豊かさ」なんてのは何年持つのか?そのモノサシはインチキだったのではないか?この一冊を読んでみるとその意味、価値、むなしさ、必要性など考えるキッカケになる。

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