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まだそこにいるのか

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ベルセルクという漫画に、グリフィスというキャラがいて、主人公に向かって 『…まだ…そんなところを這いずり回っていたのか』 とセリフを吐くシーンがある。 → このページで確認した。

5年ほど前、私はフリープログラマを始めて1年ぐらいだったわけだが、食いつなぐに食いつなげず、しょうがなくそこでアルバイトしていた。

ところが、人生どんなところで転機があるかわからないものだ。

面接した店長兼オーナーが私の履歴書を見て「この会社で仕事していた人がこんなところにくるはずがない」といった話題をその店長兼オーナーが友人にしたところ、まわりまわって私のところにITの仕事がきてしまい、それも出先常駐の話で、アルバイトとは平行してできない、ということでたった2ヶ月ほどで辞めることになった。

辞めるコンビニには当時、私を指導してくれたアルバイトのボスがいた。

いろいろと気難しいところもある人だったが、仕事はとてもしっかりしており、プライドをもって仕事をされている方だった。1ヶ月も過ぎたころには過去の経歴も含めて少し話をするような仲になっていて、その何気ない会話から、いろいろなことを学んだ。

何が言いたいかというと、この人は確実に就職氷河期の被害者である。

これまでリーマン生活をするに、いろいろと偉そうに正社員ヅラしているがこの方の態度や仕事を上回っている部分がまったく無い連中を山ほど見てきた。

ほんと不況というものはすべてを奪っていくのだなあと感じた。(そんななか民主党政権ができてしまったというような時期だった)

で、そのコンビニに5年ぶりに行ったのだ。すると、驚くべきことに、そのアルバイトのボスがまだアルバイトをしていた。

思ってしまったのはやはり「まだそこにいるのか」である。

思ってしまったということは、やはり、「仕事に貴賎があり、私の今やっている仕事はあなたより上の仕事である。」と考えている証拠である。5年前、もしかしたら私じゃなくて彼がいい仕事が決まって抜ける可能性も大いにあったというのに、私は「もっといい仕事決まったから 辞めるわ」と彼を踏みつけにして脱出したというのに。

そして「悪いな」と思っているのなら謝るべきなのに、私は、挨拶もせずに店を出てしまった。耐えられなかった。

ちょうど、前日、日曜日の夜に同窓会に参加し、大人になった(37歳にもなってこう感じるんだからアレだよな)みんなをみて、感じたことは「俺はまだ、こんなところにいるのに、どうしてお前らは上にいけたのか、私を踏みつけにしたのではないか」と感じ、こんなことを考えるべきではない!と自分に言い聞かせたのに、翌日、踏みつけにしたほうに出会ったときは、そう考えてしまったのである。

そもそも上下とか勝ち負けとか無いはずであり、すべては収まるところに収まっているはずであり、反省はすれど、そこに嫉みや恨みは無いはず、そして踏みつけにしてやったヤツはまだあんなところにいるぜwwwww なんて気持ちはゲスの極み!

心が揺れ動く。悟りは遠い。

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