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重機とコンピュータと情報収集について再考

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日経ビジネス経営教室 「経営」が見える魔法のメガネ 究極の「見える化」教えます

まず、タイトルは釣りであり、「見える化」のノウハウは全く書かれていない!ただ、何を見ねばならぬか、どう見てるか、が提示されている。内容としては日経BPさんで書かれていた記事なのかな?

この本を読めば、コマツさんの哲学がわかり、それをどのように評価しているか、というのが明確にわかってすばらしい。私が考える無機質に見える化できないものについて大事なこと、「事前に取るデータを約束する」「秘匿しない」ということはやはり大事だと再確認。

「5ゲン主義」というのもとてもすばらしい。私は「現場に立たないで冷静に判断するレイヤーというものは必要ではないか」と思うようになってきていたが、今考えればこれを現場より上のレイヤーにおかず、情報の一部として持てばよいだけで、やはり大事、現実を一番見ねばならぬのは現場であると再確認できた。これはぜひとも私もパクりたいものだ。

そして「コムトラックス」について

ざっっくり言えば、重機の稼働状況データを収集できるというシステム。GPSも搭載し、自動運転も支援する。というシステム。

一般道の自動走行は現在各社研究、実験中であるが、建機の世界ではすでにコマツさんがやっておられるという。もともとは「放置されている建機を使ってATM破壊強盗が相次いたのを対策した」のがスタートらしいが、本当にすばらしい。そして考えさせられた。

技術者に「できますよ」と言わせたことがすばらしい

相当、裁量が大きい、風通しがよくないと「できますよ」とは言えないだろう。夢物語、とっても大変、とっても予算がかかるので、と勝手に想像し、私が担当者だったら「できない」と答えてしまうだろう。

強盗に使われるものは管理されるべきか

「ATM強盗に使われる」ということを普通に捉えれば「知らんがな。ちゃんと管理してください。それは警備会社の領域だ」となるが、それに向き合ったというのはとてもすばらしい。

そして考える、「我々が便利なものは犯罪にとっても便利」、これはコンピュータもそうではないだろうか?そして稼働率も測定できるなどなどはまさにコンピュータ自身が得意な分野ではないだろうか?IoTだ!とそこら中にこれらが置かれる時代、コマツさんのこの態度やノウハウから学ぶものが多いのではないかと思う。

加えて、重機と違い、コンピュータに内包され、情報収集できうるデータというのはとても秘匿されるべきものが多いし、各セキュリティツール会社はいろいろがんばっているようだが、いくら商売とはいえ、このあたりのバランス感覚というのはすごく問われるだろう。

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