これまでは、失敗しにくいときいていた湿式(塩分 15% 程度のソミュール液で漬け込む)で作っていたベーコン。2週間漬け込んだりなんだりしたが、結局「1日(12時間)流水に晒してもショッパイ」というのが解消できず、とても不満であった。まぁ、塩シャケよりはしょっぱくないので、保存食としてはこんなもんかなぁという気持ちではあった。
この 15% というのは根拠ある数字である例えば以下を参照。そして浸透圧が高ければ高いほど染みこむので、よい。なので「最初から薄味を狙って塩分濃度を下げてはいけない」のである
食塩濃度15 %以上では30分間の浸漬時間でほとんどの大腸菌が 死滅した。
そして肉温度も温度計で63℃で30分以上になるように加熱して作ったので、正直できあがりは「しょっぱい市販のベーコン、ただしスモークの香りは最高」というものだった。
だがしかし、前いただいた手作りベーコンはこんな味じゃなかった。もっと生っぽかったし、もっと塩が薄かった。もしかして、さっさと食べる分には自分好みに作ってしまって大丈夫なんじゃないだろうか? あまりビビらずに行ってみよう!
ということで、作った。
塩漬け開始
6/16開始。肉は金沢アピタで購入。100円/100g程度。600gぐらいあるバラ。 3% の塩とその50%の砂糖。あとはお好み。しゅりしゅりと塗りこんでいくんだが、表面の肉がボロボロと剥がれることがあったが気にしなかった。
一番大きいフリーザーバッグにまとめていれた。これは香りがうつってしまって別々にすべきだったかも。まとめていれて、桶に水をためてそこに沈める方法で空気を抜いて冷蔵庫のチルドルームにいれた。ここは0度以上3度以下がキープされる。
軽く重石をかけろというのでこの上に1kgのザラメのはいった袋置いた。 pic.twitter.com/hnq0xBC2cd
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月16日
粗塩18g、砂糖9g、ブラックペッパー3gは共通で、一方は砕いたローレル1枚とパセリ少々。もう一方はニンニク2gとオレガノスプーン1
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月16日
途中経過
12時間ぐらいでフリーザーバッグ内が少し濡れてる感じだった。
塩抜き
6/23深夜フリーザーバッグより取り出し。少しぐらい酸っぱいニオイするかな? と思ったが、普通にローリエとブラックペッパのとても良い香り。なんだかねっとりしてる感じなところもあるが。ここもイヤなニオイはしない。
水温が高くて(20度以上ある)腐らせそうなので、たらいに入れて冷蔵庫入れた。次は3時頃水入れ替えよう。庫内だとたぶん冷たすぎて脂身の塩抜けないんじゃないか。まぁ早朝塩加減確認だ。
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月23日
桶に水をためて流水で、と考えたが水温があたたかい気がして温度計ではかったら20度もある。なんで? 肉が痛む気がするので桶ごと冷蔵庫にいれることにした。これが6/24の1時ごろ。
そして夜が明けて8時間後の朝9時ごろに試食。「端っこを切って試す」のがセオリーらしい。だが端っこはだいたい塩抜けてるので、中央をV字に切ってレンチンして試す。うん。うまい! じゃない! 全然塩抜けてない!
乾燥
+3時間して、結局6/24の12時ごろ、ペットシートにくるんで冷蔵庫のチルドルームにいれた。安物のペットシートだが、キッチンペーパーと違って水を吸収しても破れないのですごい使い勝手がいい。ただまぁ、使うのにとても抵抗があるが、そこは思い込みを捨ててかかろう!
まぁこんなもんか、、、な感じになったのでペットシートにくるんで冷蔵庫入れた。明後日早朝から燻す予定。 pic.twitter.com/gOJ1mQuflK
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月24日
あ、使ったペットシートはこれ。たぶん「こまめ」はよくない。超吸収とかの無香料のやつがいいんじゃないかな。
熱乾燥
6/26朝、結局2日ほどチルドルームにペットシートにくるんであったのを取り出した。レシピは師匠通りを目指す。
@PharaohKJ 45-50度で60分位熱乾してから、チップ入れて徐々に65度まで上げて4時間強燻製かな。途中で70度の時間を30分程混ぜます。焼かずに食べれるように。
— Yojiro UO (@yojiro) 2016年6月14日
肉が長すぎて2段貫通!油受けが置けなーい pic.twitter.com/CgwoKlpDBe
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月26日
まぁ50℃で1時間熱乾燥。炭は2個、窓は2段全開。 pic.twitter.com/TgZc4GS4JV
— ふぁらお加藤 (@PharaohKJ) 2016年6月26日
炭は ハイブリッド備長炭BBQ炭:フカヤチャコールチャンネルズ株式会社 を利用した。これはAmazonでは取り扱いが無いようだ。前使っていたこれはとても楽だったが評価低いようだ。なんで? こういう小さくて着火剤不要の炭はとても便利だ。一気に炭を起こさなくても欲しいときに欲しいだけ熱源を用意できる。マジでオススメ。
燻煙
ウッドはSOTOのヒッコリー(オニグルミ)を1本まるまる使った。4.5時間コース。
チップは燃えるとスモーカー内の温度変化が発生するし、補充せねばらぬなどなどで、とても難しいのでベーコンにはウッドが楽だ。もちろん熱燻にはチップだけど。
結局、レシピ通りにはいかず「60度じゃ低いなー」「ぎゃー75度いったー」とかを繰り返しながらなんとかウッドが1本燃え尽きるまで燻煙した。完全にこれまでに比べて低温で処理した証拠に、脂受けに1適も汁が落ちていなかった。
寝かせ
取り出してばっかりはアツアツでぷよぷよ。脂も表面にういているのをキッチンペーパーでふく。そのまま食べてみようかな? と考えたが、我慢。扇風機で粗熱をとり、室温になってきたら冷蔵庫にいれて昼から翌日朝までジップロック寝かせた。水分がめちゃくちゃでるのでキッチンペーパーでつつんでいれる。
実食!
愛する京セラのセラミック包丁でカットしてみる。うむ。あきらかに熱の入れ方がこれまでと違い生肉感ある。ネットリしてる感じ。スキレットで焼いて食べてみた。ああ…。うまい…。しょっぱくない。塩と香りがまわって最高にうまい。極めたな。あとはどれぐらい持つのかが心配なので、さっさと食べないといけないかな?
感想
俺、もう乾塩法以外はやんないと思う。塩の量とムラさえ気をつければ簡単にできる! あとさっさと食べる & 火を入れる分には65度〜70度キープで4.5時間マジオススメ。