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『猫スズ問題』と『環境破壊問題』とシビックハック

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この先日における議論のピンとこない感はなんだろう? と考えてこの本を読み返している(おっ、露骨なアフィリ稼ぎ!)。名著だと思うんだが、 Amazon で古本しかない & 安くてビビる。あー16年前の本だったか…。まぁとにかく、いろいろなジレンマの種類がわかりやすい事例、比喩と共に乗っている。

猫スズ問題(猫の首に鈴をつける - 故事ことわざ辞典)とは、つまり「誰かがやればいいってことが具体的に見えてすらいるが、誰も積極的にできない」という問題。

環境破壊問題とは、つまり「みんな一斉にやめればいいってことが具体的に見えてすらいるが、誰も積極的にやめない」という問題。

この2つは「積極的にやる・やめる」をコントロールできないという問題の種類の対比である。こういう問題はそれだけをきくと素人目にはわからない。現場の人間じゃないとわからない。いや、もしかして現場の人間ほど

  • そのジレンマ(問題)がすでに社会や会社、参加する団体の制度に組み込まれていて、実はジレンマ(問題)があることすらわからない
  • そういうジレンマが過去にあったので制度に組み込んで解決した。しかし情勢が変わって別問題が見えてきた時、過去に解決したジレンマは結果だけが伝えられ、本来どうあるべきだったかは忘れてしまった

というのがあるのではないか。なので問題があがってきたときに「え? それって〜すればいいだけじゃないの?」と素人目すなわち子供の気持ちでお伺いせざるを得ないのである。

先日CHNで行ったボランティアの議論において「問題解決のためのボランティア募集はどこでやるか」で「地方自治体・参加する団体や町内会で募集する」、すなわちローカル(地域的)に募集するといった回答がでた。私もそれが健全だと思う(ゴミ拾いや雪かきならね)。

しかし、ローカル(地域的、思想・信条・技術などのクラスタ)な視点にシビックハックというクラスタからの視点を注入することで「そのジレンマを見つけ出す」「再度思い出す」ことができるんじゃないかと感じた。

細かい内容は脇に置いたとしても、その問題は『猫スズ問題』なのか『環境破壊問題』なのかの認識をあわせられるだけでもだいぶ議論を前に進めるんじゃないかなあ。「子供の気持ちの問」に対して「言われてみると答えられないなあ」というところから「じゃあ答えられるようにしてみよう」と進めればいいのだ。これでピンとくるであろう。

ちなみにこの本では

  • 「すき焼き肉問題」(肉が煮えてから食べたいが、他人に食べられてしまうので好みに煮える前の生肉でも食べざるをえない問題)
  • 「大釜問題」(メシが保証されている団体ではみんなサボりはじめるが、本当に全員サボったらつぶれるという問題)
  • 「大学低学力問題」(学力を重視する団体なのに入学者を入れないと経営が成り立たないので学力を重視してない人を受け入れざるをえない問題)

などなど、第一章だけでもとても「あ〜そうだよな〜」ってのがたくさんのっているのでとてもオススメ(おっ、露骨なアフィリ稼ぎ! 2nd)。

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